6月23日の泡 しっとり雨

雨。空気がしっとり。全部濡れてる。

朝、家を出て車に乗り込むとき、むーが紅葉の葉っぱがたくさんついた枝を持っていた。
「車にのってー。はやくしてー。」
「これも乗せていい?」
「うーん。だめかな。濡れてるから、ここに置いて行って。」
名残惜しそう。考えてる。わたしは急いでる。雨だから、道路混んでるかも…はやくはやくはやく…
「お願い、置いて行って。」
「えー。…うん。」

そして、むーは手を離す。紅葉が地面にふわっと着陸。

後部座席に座るむーから、納得いってないかんじが伝わってくる。諦めたけど名残惜しいかんじ、健気だ。濡れてる紅葉くらい連れてきてもよかったかも…とぼんやり思う。

「わたしはさ、朝の自分が一番きらいかも。急いでると嫌なお母さんになってるよね。」
「うん。」
「どうしてこんなに焦ってるんだろ。」
「ママが仕事に遅れるからでしょ。」
「そう、遅れるのが嫌なの。遅れそうなのが。」
「ぼくの保育園は何時でも大丈夫だから、急がないよ?」
「いいな。お母さん、仕事辞めちゃおっかな。…んー、支度を始めるのが遅いのも悪いか。」
「ママ、支度始めるの早くしよ?」
息子の一言で解決。支度を始めるのを早くして、焦らない朝を実現したい。